新刊『世界史で読み解く西洋絵画』

この度、皆様のご愛顧賜りまして、新しく書籍を発売させていただくことになりました。今回は、こちらのご報告をさせていただきます

有名絵画の“本当の魅力”は、歴史の中にあった――。

「この絵はなぜ生まれたのか?どうして人を惹きつけるのか?」
美術作品の背後に横たわる“歴史のストーリー”を読み解けば、名画の「意味」と「理由」が鮮やかに浮かび上がります。
本書はルーベンス、ミレー、ゴッホ、セザンヌなど名だたる巨匠の作品を、「世界史」とのつながりから読み解くまったく新しいアート入門書です。時の権力者、戦争や革命、宗教、そして人々の日常……。作品の背景にあるドラマを知れば、観え方が驚くほど変わります。
世界史を通して、あなたの美術鑑賞がもっと自由で深い“自分だけの体験”になる1冊です。

絵画が生まれた成り立ちから学べば美術史の本質が見えてくるのではないか。

そんな編集者さんの提案からはじまった本書。もちろん先人たちの素晴らしい本の中でも世界史が語られていないわけではなく、もちろん切っても切り離せない分野です。しかし本書の目的としては、視座をわけて捉えることで、改めて美術の魅力に触れていこうという内容だったと思います。

絵は変わらない、けれど見え方は変わる

youtubeでは、ミレー《落穂拾い》を取り上げました。ミレーとは面白い画家で、彼が考えていたことと、ミレー伝記を書いたサンスィエの主張と、当時のフランスが受け止めたものが異なる一例だと思っています。

私自身、ミレー絵画の解釈は難しく感じていました。作品単体を見た時に感じる穏やかさと、批評されているものが大きく異なり、一度に受け止めきれずにいました。《落穂拾い》の校正には難航したものです。

それにしても、太ったな。そして老けたな。

アートテラーの役割

なぜ私が本書を書くのだろうと、何度も考えさせられました。今回で監修含め3冊目となる本書ですが、私自身は研究者でもキュレーターでもありません。そんな私が、何を伝えられるのだろうと。

アートテラーの肩書は、とに〜さんからお借りしたものです。アートテラーのとに〜さんはとてもお世話になっていて、いまの活動を続けられるのも、とに〜さんが前を走ってくれているからだと思っています。とに〜さんが思うアートテラーは「美術を面白おかしく伝える」こと。元よしもと芸人という肩書から、とに〜さんらしいなと思います。

しかし私は面白くはないので(面白くなりたいんだけどなあ)

わたしにとっての先輩というと、Podcast「そんない美術の時間」を担当されていた さかいさんは「聴くとちょっとだけ美術が好きになる」というコピーを使われていました。現在私が使っている「アートをもっとカジュアルに」は、さかいさんの影響を受けています。

私は専門家ではありません。しかし専門家ではないから伝えられることがある。美術は、専門家とそうでない人との間が大きすぎる。その間を取り持つ存在になりたい。私にはおこがましいかもしれない。私がしなくても既に垣根なんてないのかもしれない。だけど、私の面白がりポイントを話していったら、何かが変わるかもしれない。

制作を振り返って

本書は、自分の活動を改めて考える時間でもありました。担当編集者さんから出る言葉は、まるでこれまでの活動を言語化してくれたように感じて凄くワクワクしました。相手の言葉を勝手に自分ごとにして何を言ってるんだと思いますが、正味ずっと一人でやってたので、なんか嬉しくて。

冒頭でもお伝えしたように、これまでの美術史書が世界史をおざなりにしていたわけでは決してありません。しかし、本書は視座を設けることに注力しました。恐らく専門家が読む本ではないでしょう。でもそれが大事なんだと思っています。

本を出版するというのは本当に多くの人の手が入っています。私の本ですが、私の本ではありません。ここに改めて、お声がけいただいた水早さん、担当いただいた飯銅さん、ライティングいただいた山守さん、また私は直接お話したことはありませんが、校正を確認する中で多くの人の手を感じていました。本当に、ありがとうございました。

『世界史で読み解く西洋絵画』を、どうぞよろしくお願いします。

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