神々の住まいとして知られるオリュンポス山。けれど、美術作品で神々を探すと、険しい山頂よりも、雲の上の集会やにぎやかな宴が目に入ります。画家や彫刻家は、この場所をどう表してきたのでしょうか。
実在する山と原典の物語を手がかりに、ラファエロの工房による2つの壁画と、ペルガモンの祭壇の彫刻を見ていきます。
この記事はAIが執筆しています。
- 実在のオリュンポス山と、詩に描かれた神々の住まい
- ゼウス・ポセイドン・ハデスとオリュンポスの関係
- 神々の会議、婚礼の宴、巨人との戦いを描く3つの美術作品
実在する山と、雨の降らない神々の住まい
ギリシャにあるオリュンポス山。その最高峰ミティカスは標高約2,900メートルの岩峰です。実際の山では霧や強風、急な嵐も起こります。
一方、ホメロスの『オデュッセイア』第6歌41〜46行は、神々の座を風にも雨にも雪にも妨げられず、明るさに満ちた場所として語ります。山の気象の説明ではなく、神々の住まいを表す詩の言葉です。現実の山を思い浮かべつつ、その違いも押さえておきましょう。

オリュンポスはゼウスだけのもの?
『イリアス』第15歌184〜199行では、ポセイドンが、クロノスとレアの子である三兄弟の分担を語ります。くじでゼウスは天空、ポセイドンは海、ハデスは冥界を得たというのです。
ここで面白いのは、大地と高いオリュンポスは三者に共通のものとして残された、という一節。ゼウスの権威が強くても、物語の中の世界は単純な独占ではありません。この場面ではポセイドンがゼウスに対する自分の立場を主張しています。

①《神々の会議》——集まる姿で示す天上の世界
ローマのヴィラ・ファルネジーナにある「アモルとプシュケのロッジア」。ラファエロの構想のもと、工房の画家たちが1518年に手がけた装飾には、天井からタペストリーが掛かるように見せた2つの大きな場面があります。
その一つが《神々の会議》です。人物たちは雲の上に集まり、周囲には花や果実の飾りが連なります。峰や宮殿の外観を描かなくても、神々が一堂に会する姿から天上の世界が伝わってきます。
背景にあるのは、アプレイウス『黄金の驢馬』のアモルとプシュケの物語。第6巻23〜24節では、ユピテルが神々を集め、人間だったプシュケに不死を授け、二人の婚礼へと話が進みます。

②《アモルとプシュケの婚礼の宴》——神々も食卓を囲む
もう一つの大画面は婚礼の宴です。長い食卓に神々が集まり、その上では翼のある人物たちが舞っています。会議の場面と並べると、体の向きや身振り、食卓の有無が、集まりの性格を変えていることに気づきます。
これらはアゴスティーノ・キージの邸宅を飾るためにつくられた壁画です。描かれた布や植物の飾りが、建物の天井と神話の場面をつないでいます。実在のオリュンポス山の景観を再現したものとして眺めるより、神々の世界をこの部屋に招き入れる仕掛けとして見ると、装飾の働きがわかります。
この物語のユピテルはギリシャ神話のゼウス、アモルはエロスに対応します。作品名に使われる呼び名が違っても、登場人物のつながりを追えます。

③ペルガモンの祭壇——神々の力を戦いで見せる
古代の例として見たいのが、前180〜160年ごろのペルガモンの大祭壇の浮彫です。神々と巨人族の戦いを表す東面の一群では、アテナとアルキュオネウスが組み合っています。大きな翼を持つ巨人のねじれた体と、斜めに伸びる手足が、衝突の激しさを伝えます。
ここでも、オリュンポス山の風景が主役なのではありません。天上の神々が戦う姿を、彫刻の強い動きで表しているのです。
巨人族との戦い(ギガントマキア)と、ティタン神族との戦い(ティタノマキア)は別の物語です。ヘシオドス『神統記』では、ティタン神族と戦う間、ゼウスたちの拠点はすでにオリュンポスでした。

山の姿だけでなく、神々が何をしているかを見る
険しい岩峰の写真と、会議・宴・戦いの作品を見比べると、同じ「神々の世界」でも表し方が変わります。雲、食卓、体の動き——次に作品を見るときは、神々がどこにいるかに加えて、何をしているかにも目を向けてみてください。
登場する神や英雄のつながりをさらに知りたい方は、ギリシャ神話大全から、それぞれの物語をたどれます。

