第1問
- Q建築における機能主義の説明で誤ってるものはどれ?
・工場や百貨店など各目的に合わせ機能重視で建築する考え方である
・機能主義は動物や自然物の機能的な色彩および装飾に着想を得ている
・「形態は機能に従う」と発言したルイス・サリヴァンは機能主義の創始者とされる
・機能主義はシカゴ大火後の再開発で生まれたシカゴ派の建築家から生まれた - A
機能主義は動物や自然物の機能的な色彩および装飾に着想を得ている
装飾性が特徴的なものの代表としてアール・ヌーボーがあります。アール・ヌーヴォーは19世紀末から20世紀初頭にかけて流行した装飾芸術様式で、植物や動物の有機的な形態を建築や工芸品のデザインに取り入れました。
機能主義は逆に、装飾を排除し、純粋に機能性を追求する思想です。自然物の装飾的要素ではなく、構造の合理性や使用目的への適合性を重視します。
第2問
- Q1920年代にアメリカで誕生した、大量に生産することを目的とした工業製品のデザインのことを一般に何デザインというでしょう
- A
インダストリアルデザイン、工業デザイン、Industrial Design
インダストリアルデザイン(Industrial Design)はのちに、工業製品の機能性、美観、使いやすさを総合的に考慮してデザインする分野です。単なる外観デザインではなく、製造プロセス、コスト、ユーザビリティまでを包括的に捉えた設計思想として認知されました。
第3問
- Qフォードシステムに関して誤ってるものはどれ?
・ベルトコンベアを使い、作業員が効率よく働ける流れ作業方式を採用した
・分業を徹底し実現させたことで、特別な技術を必要としなかった
・業務の自動化を実現すべく、部品の標準化に取り組んだが大きな論争になった
・低価格で一定の品質の保たれた製品を、大量に生産できるようになった - A
業務の自動化を実現すべく、部品の標準化に取り組んだが大きな論争になった
規格化論争はドイツ工作連盟でおこった大きな論争でした。フォードシステムでは部品の標準化は論争にならず、むしろ大成功を収めました。
この問題は、産業革命の完成形とも言えるフォードシステムの本質的理解を問います。技術的革新だけでなく、社会への影響まで含めて理解することが大切です。
第4問
- Q1929年に設立され、建築・デザイン・写真等の展示を試み米国に新たな価値を提供した施設の名前はなに?
- A
MoMA、The Museum of Modern Art、ニューヨーク近代美術館
ニューヨーク・マンハッタンに位置する世界で最も影響力のある近代美術館の一つです。正式名称は「ニューヨーク近代美術館」で、現代アートの殿堂として世界的に知られています。これまで美術品と見なされていなかった建築やデザイン、写真などを扱う20世紀アメリカ文化の転換点と現代アートの発展における重要な役割を担いました。
第5問
- Q下記に関して正しいものはどれ?
・ヴァルター・グロピウスはニュー・バウハウスに招かれ初代校長を務めた
・装飾が機能を伴う場合、構造と共鳴するため国際様式では寛容に受け入れられた
・フォトグラムとは写真を部分的に引用し平面的に切り貼りする写真作品である
・国際様式とは、歴史背景を越え万国共通の様式を持つべきと考えた建築思想である - A
国際様式とは、歴史背景を越え万国共通の様式を持つべきと考えた建築思想である
国際様式は、特定の国や地域の歴史的・文化的伝統に縛られることなく、近代工業技術と合理的機能性に基づいた世界共通の建築言語を確立することです。装飾を完全に排除し、「形態は機能に従う」という原則のもと、鉄筋コンクリートやガラス、鉄骨などの近代材料を用いて、普遍的で標準化された建築様式を通じて、グローバルな近代社会に適応した建築を実現しようとした。
- ニュー・バウハウス校長 → モホリ・ナジ
- 装飾が機能を伴う場合 → 形態が機能を伴う場合
- フォトグラム → カメラレス写真のこと。上記の説明はフォトモンタージュ(合成写真)